親知らずの抜歯は必ずしも必要なのか?判断する6つの基準

こんにちは。
あおば台デンタルクリニック、院長の青木です。
「親知らずが生えてきたけど、抜いた方がいいのかな?」と悩まれる方は多いのではないでしょうか。実は、親知らずは必ずしも抜歯しなければならないというものではありません。正常に生えていて特に問題がなければ、そのまま残しておくことも可能です。
今回は、親知らずの抜歯が必要となる場合についてご説明します。
親知らずとは?
親知らずは「親に知られることなく生えること」が名前の由来とされています。
また、親知らずは「智歯」とも呼ばれ、20代前後で一番奥に生え、永久歯の中で一番遅く生えてくる歯です。
通常、上顎と下顎の左右それぞれに1本ずつ、合計4本の親知らずが生えてきます。ただし、人によっては生えてこない場合や4本すべてが揃わない場合もあります。
親知らずは、正常にまっすぐ生えている場合は特に問題ありませんが、生え方や状態によっては、抜歯が必要になる場合もあります。
親知らずの抜歯が必要な場合
親知らずを抜いたほうがいいのは、次のような場合です。
【1】親知らずが横向きに生えていたり、一部だけ歯ぐきから出ている場合
歯みがきが難しくなり、汚れがたまりやすくなります。その結果、むし歯や歯周病、口臭のリスクが高まります。
【2】親知らずの周囲の歯ぐきが腫れている場合
親知らずの周りの歯ぐきが腫れたり、痛みを感じる場合には、炎症を起こしている可能性があります。重症化すると、頬が腫れたり、口が開けにくくなったりすることもあります。
【3】親知らずがむし歯や歯周病になっている場合
親知らずは口の奥に生えているため、歯ブラシが届きにくく、むし歯や歯周病が発生しやすくなります。
【4】親知らずが他の歯を押している場合
歯ならびが乱れる原因となることがあります。矯正治療を検討される場合は、親知らずの抜歯を考えることも大切です。
【5】上下の親知らずが正しく咬み合っていない場合
咬み合わせがさらに悪化したり、頬や歯ぐきを傷つけてしまう恐れがあります。
【6】親知らずの周囲に嚢胞(のうほう)ができている場合
完全に顎の骨の中に埋まっている親知らずの周りに「嚢胞」という膿の袋が生じることがあります。嚢胞は顎の骨を圧迫して、痛みや腫れの原因になることもあります。レントゲン撮影で嚢胞が見つかった場合は、親知らずの抜歯と嚢胞を摘出する治療が必要です。
抜かなくていい場合も
親知らずは、必ず抜かなければならないものではありません。次のような状態の場合は、急いで抜く必要はありません。
上下の親知らずが正常に生えていて、むし歯や歯周病がない
咬み合わせがよく、歯として正常に機能している場合は抜歯する必要はありません。
完全に埋まっていて腫れや痛みがない
レントゲンで嚢胞がなく、周りの歯や骨に影響がない場合は抜歯する必要はありません。
残した親知らずは活用することができる
正常に生えている親知らずは残しておき、入れ歯やブリッジを支える歯として活用することができます。また、歯を抜いた場所に移植したり、矯正治療で手前に移動させたりすることができます。
このように、将来的に治療の選択肢を広げるために残す選択肢もあります。
まとめ
親知らずの生え方や状態は人それぞれ異なり、抜歯が必要かどうかの判断も人によって異なります。まずは歯科医院で診察を受け、状態を確認することが大切です。
当院では、親知らずの状態をデジタルレントゲンで詳しく確認し、最適な治療方針をご提案します。もし、抜歯が必要となった場合でも、できる限り痛みを抑えた治療を心掛けていますのでご安心ください。
親知らずに関するお悩みやご質問がありましたら、お気軽にご相談ください。

